坂出商工会議所・経営発達支援計画事業評価書(平成28年6月)
Ⅰ.評価にあたっての考え方当地坂出の小規模事業者数は平成27年1月現在、全事業所の80%を占めている。当地域の活力を下支えする小規模事業者数の維持、創業・第二創業の増加は極めて重要な課題となっています。
当所が策定した「経営発達支援計画」は平成27年11月に国の認定を受けて、今後5年間にわたって当該事業に取り組んでいくこととなりました。27年度は期中からのスタートとなったが、事業初年度であり、今後事業を展開するにあたり、基盤を固める重要な年度と位置づけて事業を実施しました。
今般、本計画に掲げた諸事業の実施状況及び成果について、当所と関係の深い有識者による厳正な評価を行いました。
今般その評価内容につき、ご報告いたします。
Ⅱ.評価方法
評価については、以下の通り実施しました。
・事務局にて詳細な事業の実績報告書(評価書案)を作成して、坂出市幹部職員、市内金融機関支店長、日本政策金融公庫国民生活事業担当者、税理士等の有識者により、事業計画と実績についての客観的な評価をいただきました。
・評価は定量及び定性面から行い、第三者の視点での厳正な評価を行うものとします。
・有識者の評価・提言をもとに、28年度以降の事業実施の改善案を検討して、今後の事業計画に反映させてい
くこととします。
・事業の成果・評価・見直しの結果については、当所三役会に報告し、承認されました。
・以上の結果を当所HPに掲載するとともに、当所会報に掲載して、域内小規模事業所への周知・PRを実施
します。
Ⅲ.本評価書の構成
「経営発達支援計画」の項目ごとに、事業目標に対する定量及び定性面からの実績を記載する。定性面では実施した事業内容を詳細に説明する。定量面では、掲げた数値目標に対する達成度合いを以下の3段階でランクづけする。
○目標数値を達成した(100%)
△目標達成には至らなかった(50~99%)
×目標達成には程遠い(49%未満)
以上を踏まえて、各事業の総括と今後の課題について記載する。
Ⅰ.経営発達支援事業の内容
1.地域の経済動向調査に関すること
当地の経済状況や各業界における小規模事業者の課題を調査・把握して、経営分析・事業計画策定支援などに活用するため、各種調査・分析を実施する。調査結果は当所HPや会報等で公開して、小規模事業者に必要な情報を提供する。
【目標及び実績】
支援内容 |
現状 |
1年目 |
実績 |
評価 |
2年目 |
3年目 |
4年目 |
5年目 |
市内景況分析会議 |
2 |
2 |
2 |
○ |
2 |
2 |
2 |
2 |
中小企業景況調査(回数) |
4 |
4 |
4 |
○ |
4 |
4 |
4 |
4 |
LOBO調査(回数) |
12 |
12 |
12 |
○ |
12 |
12 |
12 |
12 |
小規模企業調査(回数) |
0 |
1 |
1 |
○ |
4 |
4 |
4 |
4 |
【実施した事業内容】
(1)小規模事業者に関する地域の経済動向調査の実施
全小規模事業者を対象に「小規模事業者の支援に関する法律に基づく経営実態調査」を実施した。経営の実態や真の課題・ニーズを把握することを目的として、アンケート郵送方式で実施した。回答数は392件。(回答率16%)当所会報に分析結果を掲載するとともに、当所中小企業委員会等で結果を分析・討議することにより、今後の事業展開に活用した。
(2)坂出市内景況分析会議の開催
市内の景況動向を把握するため標記会議を年2回開催した。市内企業・官公庁・出先機関・当所部会の代表
者等が参加して情報交換を行った。結果は当所会報にダイジェストを掲載し、情報提供に努めた。なお、今年
度より経営指導員が出席して、地域の小規模事業者についての定量的な情報を報告し、参加者との意見交換・
分析を実施した。
(3)中小企業景況調査
小規模事業者の景気動向を把握し、今後の施策立案の基礎資料を収集するため、小規模事業者に対するアンケート調査を計4回実施した。
(4)LOBO調査
小規模事業者の景気動向を把握し、施策立案の基礎資料を収集するため、アンケート調査を計12回実施した。
【今後の課題】
目標数値は概ね達成することができた。今後は、中小企業景況調査及びLOBO調査の分析結果を小規模事業者に分かりやすく提供して、経営判断に効果的に活用してもらうことが必要である。また、初めて実施した「経営実態調査」では、定性面を中心に経営者の現状を知ることができた。今後の事業展開を検討するにあたり十分に活用していきたい。また、未回答者に対しては、事業所訪問等により回答をお願いして、調査の精度を高めていきたい。28年度もテーマを厳選して調査を実施していきたい。
2.経営状況の分析に関すること
経営指導員の巡回・窓口相談、セミナーの開催、専門機関等と連携することにより、小規模事業者の経営分析を行う。
【目標及び実績】
支援内容 |
現状 |
1年目 |
実績 |
評価 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 |
巡回訪問件数 |
全事業者 |
878※ |
730 |
△ |
全事業者 |
全事業者 |
全事業者 |
全事業者 |
セミナー開催回数 |
0 |
1 |
2 |
○ |
1 |
2 |
2 |
2 |
セミナー参加者数 |
0 |
25 |
16 |
△ |
25 |
50 |
50 |
50 |
経営分析事業者数 |
10 |
12 |
83 |
○ |
48 |
60 |
60 |
60 |
フォローアップ訪問件数 |
10 |
12 |
83 |
○ |
48 |
60 |
60 |
60 |
【実施した事業内容】
(1)経営指導員による事業所訪問の実施並びに相談窓口対応
経営指導員が各担当地区の小規模事業者を訪問し、当所事業の周知・経営課題の抽出・国等の各種施策の情報提供を行った。また、専門家派遣事業(エキスパートバンク、香川県よろず相談拠点)等を活用して、専門家と連携。
専門的な経営上の悩みに対して、より丁寧にサポートを実施した。
(2)セミナーの開催等による「経営分析」の実施
「小規模事業者持続化補助金」申請を視野に入れた「経営分析・事業計画策定セミナー」を計2回開催した。
各種分析手法を活用して経営全般の見直し、事業計画の策定を希望する小規模事業者の掘り起こしを行った。
(3)日本政策金融公庫(国民生活事業)担当者との帯同訪問実施
経営指導員と日本公庫担当者の帯同訪問(マル経融資による支援を行った小規模事業者を中心にする)を実施した。
【今後の課題】
経営分析事業者数は、①持続化補助金申請者、②マル経融資申込者、③記帳代行受託先、④専門機関・専門家と連携して経営改善計画策定等に向けて経営分析を行った事業所数、を合計したものである。概ね数値目標は達成することができたが、経営分析から事業計画策定につなげることができなかった事業所も少なからずあった。フォローアップを徹底していくことが肝要である。
今年度の新たな取り組みとして、当所経営指導員が講師となり「経営分析・事業計画策定セミナー」を開催した。参加者数は目標に達しなかったが、より多くの事業所に参加してもらえる高質の勉強会を企画していきたい。そのためにも支援者の資質向上に取り組んでいくことが必要である。
巡回訪問については、複数回訪問の事業所がある一方で、全件訪問は達成できなかった。今後は訪問を徹底して、接触機会を確保していくことを目指したい。また、タブレットの活用により、担当者間での「見える化」の徹底、訪問時に的確な情報提供ができる体制づくりを図る。
3.事業計画策定支援に関すること
事業者が経営課題を解決するため、経営分析の結果を踏まえつつ、地域金融機関・支援機関とも連携して、事業計画策定支援を行う。創業については、地域経済の活力の源泉である小規模事業者の創業を促進するため、創業支援セミナーを開催する。個別相談においても、公的金融機関や創業支援機関と連携し、創業までの手厚い支援を行う。
【目標及び実績】
支援内容 |
現状 |
1年目 |
実績 |
評価 |
2年目 |
3年目 |
4年目 |
5年目 |
セミナー開催回数 |
5 |
6 |
9 |
○ |
7 |
8 |
8 |
8 |
事業計画策定事業者数 |
5 |
10 |
38 |
○ |
15 |
20 |
25 |
30 |
創業支援者数 |
5 |
10 |
19 |
○ |
15 |
20 |
25 |
30 |
【実施した事業内容】
(1)各種講習会・セミナーの開催
経営者・管理者・若手新人社員等幅広い層を対象に実践的なセミナーを開催した。「企業活力向上セミナー(6回シリーズ)」、販路拡大・売上アップを目指した「ITリテラシー向上セミナー(2回)」を開催した。
(2)「小規模事業者持続化補助金」への積極的な取り組み
国の重点事業「小規模事業者持続化補助金」に積極的に取り組んだ。経営指導員は小規模事業者と一体となって取組み、事業計画を作り上げ、販路拡大等への取り組みを支援した。25事業所が申請、15事業所が採択を受けた。(3)創業支援セミナーの開催
日本政策金融公庫高松支店及び坂出市と連携して、創業支援セミナーを開催した。創業希望者の知識向上を図り、創業計画の策定支援・創業資金の相談等を実施した。
(4)創業相談窓口の設置
創業相談窓口を設置し、経営指導員が創業計画書の作成支援等を実施した。さらに経理事務の手続きを中心に、労務・税務等の切り口より開業に至るまで手厚い支援を実施した。また、地元金融機関・日本政策金融公庫と連携し、創業資金のあっせんを実施した。
【今後の課題】
目標数値は達成することができたが、持続化補助金などの申請及びマル経融資における推薦書作成に係る事業計画支援が多数を占めた。今後は補助金や融資実行目的だけでなく、長期的な経営発達のための計画策定支援が必要である。ただ、持続化補助金については、小規模事業者が持ち込む事業計画を添削することに留まらず、スタート段階より申請に関与して、手厚い支援を実施することができた。
創業支援については、窓口での対応が中心となったが、丁寧な対応を心がけ創業資金の斡旋にとどまらず、複数の視点から分厚い支援を心がけた。ただ、相談実施後、(特に、創業後)のフォローについては十分でないことも多く、さらに追跡支援を徹底していきたいと考える。
4.事業計画策定後の実施支援に関すること
作成した事業計画が向こう3~5年のアクションプランとして十分に機能するとともに、金融機関への融資申込時等に活用できる実現可能・妥当な計画であることを担保するためのフォローアップを行う。第二創業(経営革新)支援については、小規模事業者の各発展ステージに応じた伴走型の支援を実施する。
【目標及び実績】
支援内容 |
現状 |
1年目 |
実績 |
評価 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 |
第二創業支援者数 |
15 |
15 |
18 |
○ |
25 |
25 |
30 |
30 |
フォローアップ件数 |
10 |
20 |
18 |
△ |
30 |
40 |
50 |
60 |
【実施した事業内容】
(1)事業計画策定事業所へのフォローアップ
「小規模事業者持続化補助金」の採択先に対して、策定した事業計画が中期経営計画として実効性を持つとともに、補助事業を適正に実施するための支援を行った。
(2)「小規模事業者経営発達支援融資制度」への取組み
新たに創設された「小規模事業者経営発達支援融資制度」の活用を促すため、融資申請に向けての事業計画策定支援を行った。(融資実行は平成28年度になった)
【今後の課題】
第二創業支援者数は①持続化補助金採択者、②経営発達支援融資制度利用者を合計したものである。その他、窓口及び事業所訪問時に随時、経営革新・事業転換・多角化・事業縮小等の相談を受けて支援を行っているが、具体的な事業計画策定にはつながっていないため、件数にはカウントしていない。
今後の課題としては、補助金や融資実行目的だけでなく、事業所の中長期計画として機能する経営戦略策定支援を目標にしていきたい。小規模事業者持続化補助金のみならず、経営革新を目指す事業所の支援も実施していきたい。これまで、手つかずであった「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」申請支援にも取り組んでいきたい。そのためにも、各支援機関や金融機関ともこれまで以上に連携体制を強化することが必要である。
「小規模事業者経営発達支援融資制度」の活用については、日本公庫と連携して利用者アップに取り組んだ。融資の実行は次年度にずれ込んだが、積極的な取り組みにより目標件数を達成した。
5.需要動向調査に関すること
小規模事業者が販売する商品・製品・サービスについての重要の動向を調査・分析することにより、小規模事業者に対する経営分析・事業計画策定支援に活用する。
【目標及び実績】
支援内容 |
現状 |
1年目 |
実績 |
評価 |
2年目 |
3年目 |
4年目 |
5年目 |
調査件数 |
0 |
12 |
6 |
△ |
48 |
48 |
48 |
48 |
【実施した事業内容】
(1)経営指導員による需要動向調査・分析
専門家・専門機関と連携して、支援要請のある小規模事業者の属する業種・業態の市場・需要動向調査を行った。
【今後の課題】
目標数値を達成することはできなかった。そもそも需要動向調査の依頼自体が少なかった。実績の5件は当所が専門相談を受けた際に、専門機関と連携して調査を行ったものである。調査結果は報告書として書面化して依頼先に配布することが要件となっている。今後はこの点も徹底することが必要である。
今年度は、エリアマーケティング分析ツール(マケプラ)を活用した商圏分析や、ストアコンパリソンなどの定型的な調査など、当所独自の調査・分析を実施していくとともに、事業所の需要を掘り起こす努力を行っていきたい。
6.新たな需要の開拓に寄与する事業に関すること
産業のまち・坂出をアピールし、小規模事業者の有する隠れた地域資源の掘り起し・PRを実施するため、イベント(展示会等)を開催する。また、専門機関等と連携して、小規模事業者のホームページ作成・リニューアルの支援等を行い、ICTを活用した販路開拓の支援を実施する。小規模事業者の海外進出を支援する。
【目標及び実績】
項目 |
現状 |
1年目 |
実績 |
評価 |
2年目 |
3年目 |
4年目 |
5年目 |
展示会開催回数 |
2 |
2 |
1 |
△ |
2 |
2 |
2 |
2 |
来場者数 |
3,000 |
4,000 |
9,000 |
○ |
5,000 |
6,000 |
7,000 |
8,000 |
バイヤー来場者数 |
2 |
2 |
0 |
× |
2 |
2 |
2 |
2 |
出展支援者数 |
30 |
30 |
27 |
△ |
35 |
40 |
45 |
50 |
ICTを活用した販路開拓支援者数 |
30 |
30 |
17 |
△ |
35 |
40 |
45 |
50 |
【実施した事業内容】
(1)「さかいで産業展示交流フェア2015」等の開催
27年度で4回目となる「さかいで産業展示交流フェア2015」を開催した。地域内の事業所がもつ優れた商品(製品)・技術・サービスを内外にPRし、出展者同士の交流(ビジネスマッチング)の場を提供することで販路開拓や優秀な人材の確保、地域活性化につなげることを目指した。出展者のうち小規模事業者は27事業所。
(2)小規模事業者のICT導入・強化の支援
ICTを活用した販路開拓を支援するための「ICTリテラシー向上セミナー(計2回)※」を開催した。「産業展示交流フェア」出展予定者を中心に、小規模事業者12事業所が受講した。
※テーマは、①「ITツール(地理情報)を活用した顧客獲得手法」、②「ネットショップの出展」である。
(3)小規模事業者のICTを活用した海外進出支援
海外進出を目指す小規模事業者を支援するため、中小企業基盤整備機構と共催で「Webマーケティングセミナー」を開催した。
【今後の課題】
平成24年度にスタートした「さかいで産業展示交流フェア」は、地域内の事業所の販路開拓・売上アップを目指して開催しているが、当地恒例の目玉イベントとして定着している。小規模事業者は出展者全体の過半数を占めており、自慢の商品・サービスをPRする格好の機会となっている。
今年度は、バイヤーの来場はなかったが、前年度は有名百貨店のバイヤーが来坂した。他方、出展者に対する販路拡大セミナーや個別支援を手厚く実施した。
これ以外に全国展開を目指す事業者を支援すべく、四国経済産業局と連携して東京で開催される展示会(東京ビッグサイト)への出展支援を行った。
今年度は出展者に対して、全国の物産展への出展・海外展開への支援も視野に入れたステップアップの支援も実施していく予定である。
1.地域活性化事業
JR坂出駅前・商店街等を会場に、小規模事業者が主体となる定期的なイベント(自社PRの場)を開催し、地域経済活性化を目指す。地域の多様な機関が参加し、地域の方向性を関係者間で共有するための意見交換会等を実施する。
【目標及び実績】
項目 |
現状 |
1年目 |
実績 |
評価 |
2年目 |
3年目 |
4年目 |
5年目 |
開催回数 |
15 |
15 |
16 |
○ |
15 |
15 |
15 |
15 |
出展者数 |
20 |
30 |
53 |
○ |
35 |
40 |
45 |
50 |
来場者数 |
1,000 |
1,200 |
2,400 |
○ |
1,400 |
1,600 |
1,800 |
2,000 |
【実施した事業内容】
(1)駅近「さかいで楽市楽座」の開催
毎月1回、JR坂出駅周辺を会場に、「市で賑わいがあるまちづくり」をテーマに、当所会員事業所・起業予定者等より出展者を募り、イベントを開催した。また、市内小規模事業者(飲食業)の利用拡大を目的として「バルin SAKAIDE」を計4回開催した。
(2)まち歩き「坂出あまからめぐり」の実施
平成24年より坂出市観光協会と連携して、まち歩き事業「坂出あまからめぐり」を開催した。平成27年度は計8回開催した。地域の魅力を掘り起し、再認識してもらうとともに地元小規模事業者の店舗を紹介するなど地域経済活性化を目指している。
(3) 「さかいで産業展示交流フェア」報告会の開催
「さかいで産業展示交流フェア2015」を総括する報告会を開催した。今後の事業の在り方を検討するとともに、地域経済活性化の方向性を踏まえ、小規模事業者支援の方向性についても検討した。(坂出市、中小機構四国、出展者、当所役員議員等が出席)
【今後の課題】
当所青年部が中核となって、精力的に様々なイベントを実施した。目標数値は概ね達成したものの、事業が小規模事業者の販路拡大に結び付いているかどうかは厳密な検証が必要である。地域活性化という当所の使命(ミッション)の中で、本事業の目標(小規模事業者の販路拡大)をいかに織り込んでいくか。更なる検討が必要である。
Ⅰ.他の支援機関との連携を通じた支援ノウハウ等の情報交換に関すること
地域金融機関、連携支援機関、日本政策金融公庫及び専門機関・専門家と連携して、当所が収集・分析した情報を提供するとともに意見交換を実施し、連携体制の確立を図る。
【実施した事業内容(会議への出席)】
①商工会議所中小企業相談所長会議
②日本公庫(国民生活事業)担当者との勉強会
③小規模事業者経営改善資金貸付団体連絡協議会への出席
④中小基盤整備機構担当者との懇談会
⑤かがわ産業支援財団支援者会議
⑥坂出市との懇談会
⑦中讃農業改良普及センターとの意見交換会
【今後の課題】
他の支援機関との連携の中で、経営発達をテーマとした意見交換や情報収集を充実させることが課題である。
2.経営指導員等の資質向上等に関すること
日本商工会議所・香川県商工会議所連合会が主催する研修への参加に加え、経営発達計画のマネジメントを行うことを目的に、支援担当職員の支援能力の向上を図る。
【実施した事業内容(研修等への参加)】
①香川県下6商工会議所経営支援事業担当職員研修会
②商工会議所経営指導員全国研修会(支援力向上全国フォーラム)
③経営指導員向け小規模事業者支援研修(個社支援型・地域支援型)
④四国地域事業承継支援者会議
⑤支援担当職員の自主勉強会
⑥経営発達支援計画策定研修会
⑦経営安定対策事業研修会
⑧マル経融資等基礎研修会
【今後の課題】
毎年恒例の支援担当者向け研修会のみならず、小規模事業者支援に特化した研修会にも積極的に職員を派遣した。職員の自主勉強会を開催して、マケプラ等の支援ツールを活用した最新の支援手法の習得に努めた。
有識者の意見
Ⅰ.経営発達支援事業の内容
1.地域の経済動向調査に関すること
・「小規模企業調査」の回答率は約16%とあまり高くなかった。回答の精度を上げるためには回答率のアップが不可欠である。何らかの工夫が必要だと思う。アンケートに応えれば、意見が反映されることがあるというような意識(ムード)を醸成できればよいと思う。
・調査結果についてはHPに掲載するなど、アンケートに答えてくれた事業所に対して結果が伝わるようにしたほうがよい。私見だが、アンケートの設問項目については盛り沢山すぎるように思う。回答率にも影響しているかもしれない。項目(ポイント)を絞って実施してはどうか。例えば、設問を売上動向・経営課題に限定して、後は、その時々のタイムリーな話題を聞いていくようにすれば、負担も少なく回答率もアップすると思う。また、県や他の機関と同じ聞き方にすれば、比較検討もできて実効性が上がるのではないか。(県内や四国内での当地の位置づけが明確になる)
2.経営状況の分析に関すること
・巡回訪問については、手持ち資料など持参すれば、より実効性が高まるのではないか。(例えば、アンケート調査結果)
3.事業計画策定支援に関すること
・創業関係については我々も力を入れている。専門の部署もあるのでこれからもセミナーの開催などで協力していきたい。
4.事業計画策定後の実施支援に関すること
・事業計画策定後のフォローアップこそ非常に大切だと思う。ぜひ、計画が実効性を持つように手厚い支援をお願いしたい。
5.需要動向調査に関すること
・需要動向調査については、依頼自体が少ない印象がある。ストアコンパリソン(競合店調査)などの調査にも協力していくということだが、事業所訪問の際にもアンケートの調査結果を持参すれば依頼も増えるのではないか。現在はネット社会なので、自分で情報を取ることができるので商工会議所の協力を得る必要がないということなのか。あるいは、単に市内に競合店舗がないからなのか。事業所訪問を実施するということなので、事業所の実態・ニーズを的確に捉えて事業を進めていただきたい。
・「小規模事業者経営発達支援融資制度」については、管内で坂出が融資実行第1号となった。四国では現在2
件のみであり、この件では全国的にも先進事例だと思う。
6.新たな需要の開拓に寄与する事業に関すること
・今年度の「産業展示交流フェア」では、バイヤーの来場がなかった。販路拡大を目指すのであれば、バイヤーが来場してこそ実を上げることができると思う。今年度以降にはぜひ積極的な働きかけをお願いしたい。
・全体の中でバイヤー来場者数についてのみ×が付いている。バイヤーは非常に多忙であり、余程のことがないと来てもらうことは難しいとは思う。しかし、イベントの実効性を上げるためにも、ぜひがんばってもらいたい。
・我々も展示会等のイベントを開催するが、バイヤーは非常にシビアな判断をするので、事前に十分な情報を提供しないと来てくれない。また、イベント出展者の固定化も悩みの種だ。幅広い出展者を募集することがイベントの活性化につながる。
・イベント開催については坂出市だけでは限界があるので、他の市町村とも連携して、他地域の事業者等も巻き込んでいけば、これまで以上の広がりが期待できるのではないか。
・評価項目に×がつくのはやはりよくない。何とか改善が必要だ。
Ⅱ.地域経済の活性化に資する取組
1.地域活性化事業
・地域活性化のためのイベント等については、行政としても周知を強化していきたいと考えている。引き続き、積極的な活動をお願いしたい。
Ⅲ.経営発達支援事業の円滑な実施に向けた支援力向上のための取組み
Ⅰ.他の支援機関との連携を通じた支援ノウハウ等の情報交換に関すること
・経営指導員との連携をもっと進めていきたい。お互いウィンウィンの関係になればと思う。
・農林水産業との連携についてはノウハウがあるので、協力できることもあると思う。
2.経営指導員等の資質向上等に関すること(その他、自由意見を含む)
・限られたメンバーで多彩なメニューをこなしていると思う。
・立場上、全国の商工会議所・商工会と付き合いがあるが、坂出はその中でも非常に優秀な商工団体だと思う。よくがんばっている。
・各支店で商工会議所・商工会と付き合いがあるが、坂出はその中でも積極的であり、よくやっていることは間違いないと思う。
・件数にこだわるだけではなく、各事業に実効性を持たせることがセミナー参加者数アップやアンケート回答率増につながると思う。なぜ、商工会議所がこの事業に取り組むのか、その意図を明確にすることが大切である。
(きちんとPDCAサイクルを継続的に回すことが大切)
※「有識者の意見」については、評価会議出席者の発言について当所事務局がまとめたものです。文責は全て当所にあります。
坂出商工会議所 「経営発達支援計画」事業評価会議
1.日 時 平成28年6月10日(金)10時~
2.場 所 坂出商工会館5Fchamberルーム
3.議 題 ①平成27年度経営発達支援事業について ②評価・ご意見 ③その他
4.出席者 12名(事務局3名を含む)
坂出商工会議所専務理事(座長)
坂出市建設経済部長
坂出市産業課課長
坂出市産業課商工特産係長
日本政策金融公庫高松支店支店長兼国民生活事業統括
四国税理士会坂出支部長
百十四銀行坂出支店長
高松信用金庫坂出支店長
香川銀行坂出支店長
(事務局)
坂出商工会議所事務局長・商工相談所長
坂出商工会議所商工相談所次長
坂出商工会議所経営支援課係長
(敬称略・順不同)
坂出商工会議所 三役会
1.日 時 平成28年6月16日(木)10時~
2.場 所 坂出商工会館5F会頭・副会頭室
3.議 題 ①平成27年度経営発達支援事業について ②評価・ご意見 ③その他
4.出席者 5名(会頭、副会頭2名、専務理事、事務局長)
①平成27年度経営発達支援事業について
資料の「事業評価書(案)」により、平成27年度事業実施状況について詳細に説明した。正副会頭からは、評価会議で高評価を得たことを受けて、「事務局はよく頑張っている。引き続き、指摘された事項を踏まえて28年度事業に取り組んでほしい」と指示を受けた。
※坂出商工会議所 経営発達支援計画評価書(平成28年6月)(PDF形式)ダウンロード
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