平成28年年度 坂出商工会議所経営発達支援事業の実施結果について
Ⅰ.評価にあたっての考え方当地坂出の小規模事業者数は平成29年5月現在、全事業所の約80%を占めている。当地域の活力を下支えする小規模事業者数の維持、創業・第二創業の増加は極めて重要な課題となっている。
当所が策定した「経営発達支援計画」は平成27年11月に国の認定を受けて、今後5年間にわたって当該事業に取り組んでいくこととなった。28年度は事業実施2年目であり、有識者による評価・反省を踏まえて、事業を実施した。
今般、本計画に掲げた諸事業の実施状況及び成果について、当所と関係の深い有識者による厳正な評価を行う。
Ⅱ.評価方法
評価については、以下の通り実施する。
・詳細な評価書を作成して、坂出市幹部職員、市内金融機関支店長、日本政策金融公庫国民生活事業担当者、税理士等の有識者により、事業計画と実績についての客観的な評価をいただく。
・評価は定量及び定性面から行い、第三者の視点での厳正な評価とする。
・有識者の評価・提言をもとに、29年度以降の事業実施の改善案を検討して、今後の事業計画に反映させてい
く。
・事業の成果・評価・見直しの結果については、当所三役会に報告し、承認を受ける。
・以上の結果を当所HPに掲載するとともに、当所会報に掲載して、域内小規模事業所への周知・PRを実施
する。
Ⅲ.本評価書の構成
「経営発達支援計画」の項目ごとに、事業目標に対する定量及び定性面からの実績を記載する。定性面では実施した事業内容を詳細に説明する。定量面では、掲げた数値目標に対する達成度合いを以下の3段階でランクづけする。
○目標数値を達成した(100%)
△目標達成には至らなかった(50~99%)
×目標達成には更なる努力が必要である(49%未満)
以上を踏まえて、各事業の総括と今後の課題について記載する。
Ⅰ.経営発達支援事業の内容
1.地域の経済動向調査に関すること
当地の経済状況や各業界における小規模事業者の課題を調査・把握して、経営分析・事業計画策定支援などに活用するため、各種調査・分析を実施する。調査結果は当所HPや会報等で公開して、小規模事業者に必要な情報を提供する。
【目 標】
支援内容 |
現状 |
1年目 |
2年目 |
3年目 |
4年目 |
5年目 |
市内景況分析会議 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
中小企業景況調査(回数) |
4 |
4 |
4 |
4 |
4 |
4 |
LOBO調査 (回数) |
12 |
12 |
12 |
12 |
12 |
12 |
小規模企業調査 (回数) |
0 |
1 |
4 |
4 |
4 |
4 |
支援内容 |
1年目 |
実績 |
評価 |
2年目 |
実績 |
評価 |
市内景況分析会議 |
2 |
2 |
○ |
2 |
2 |
○ |
中小企業景況調査(回数) |
4 |
4 |
○ |
4 |
4 |
○ |
LOBO調査 (回数) |
12 |
12 |
○ |
12 |
12 |
○ |
小規模企業調査 (回数) |
1 |
1 |
○ |
4 |
3 |
△ |
【実施した事業内容】
(1)小規模事業者に関する地域の経済動向調査の実施
「小規模事業者の支援に関する法律に基づく経営実態調査」を実施した。(中堅・大企業を含む)経営の実態や真の課題・ニーズを把握することを目的として、アンケート郵送方式で実施した。回答率約49%。当所中小企業委員会等で結果を分析・討議することにより、29年度の事業実施に活用する予定である。
また、県が特に重視している事業継続計画(BCP)の策定状況に関するアンケート調査(小規模事業者のBCPに関する意識・策定状況等の調査)、小規模事業者の「販路開拓」に関するアンケート調査(小規模事業者の売上アップ・販路開拓に対する意欲等の調査)を実施した。
(2)坂出市内景況分析会議の開催
市内の景況動向を把握するため標記会議を年2回開催した。市内企業・官公庁・出先機関・当所部会の代表
者等が参加して情報交換を行った。結果は当所会報にダイジェストを掲載し、情報提供に努めた。
(3)中小企業景況調査
小規模事業者の景気動向を把握し、今後の施策立案の基礎資料を収集するため、小規模事業者に対するアンケート調査を計4回実施した。
(4)LOBO調査
小規模事業者の景気動向を把握し、施策立案の基礎資料を収集するため、アンケート調査を計12回実施した。
【今後の課題】
目標数値は概ね達成することができた。「経営実態・要望に関する調査」では、定性・定量両面から中堅企業との違いも含めて小規模事業者の現状を知ることができた。29年度は小規模事業者を対象に深堀した調査を実施し、詳細な分析を行う予定である。調査については専門の調査機関と連携して実施し、設問の精度・回収率の向上に努めた。29年度も事業承継などテーマを厳選して調査を実施していく予定である。中小企業景況調査及びLOBO調査の分析結果も含めて、小規模事業者に分かりやすく提供して、貴重な情報を経営判断に効果的に活用してもらうことが、今後の課題となる。
2.経営状況の分析に関すること
経営指導員の巡回・窓口相談、セミナーの開催、専門機関等と連携することにより、小規模事業者の経営分析を行う。
【目 標】
支援内容 |
現状 |
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 |
巡回訪問件数 |
全事業者 |
878 |
869 |
全事業者 |
全事業者 |
全事業者 |
セミナー開催回数 |
0 |
1 |
1 |
2 |
2 |
2 |
セミナー参加者数 |
0 |
25 |
25 |
50 |
50 |
50 |
経営分析事業者数 |
10 |
12 |
48 |
60 |
60 |
60 |
フォローアップ訪問件数 |
10 |
12 |
48 |
60 |
60 |
60 |
【実 績】
支援内容 |
1年目 |
実績 |
評価 |
2年目 |
実績 |
評価 |
|
巡回訪問件数 |
878 |
730 |
△ |
869 |
767 |
△ |
|
セミナー開催回数 |
1 |
2 |
○ |
1 |
2 |
〇 |
|
セミナー参加者数 |
25 |
16 |
△ |
25 |
17 |
△ |
|
経営分析事業者数 |
12 |
83 |
○ |
48 |
121 |
〇 |
|
フォローアップ訪問件数 |
12 |
83 |
○ |
48 |
121 |
〇 |
【実施した事業内容】
(1)経営指導員による事業所訪問の実施並びに相談窓口対応
経営指導員が各担当地区の小規模事業者を訪問し、当所事業の周知・経営課題の抽出・国等の各種施策の情報提供を行った。また、専門家派遣事業(エキスパートバンク、香川県よろず相談拠点)等を活用して、専門
家と連携。専門的な経営上の悩みに対して、より丁寧にサポートを実施した。
(2)セミナーの開催等による「経営分析」の実施
「小規模事業者持続化補助金」申請を視野に入れた「経営分析・事業計画策定セミナー」を計2回開催した。
各種分析手法を活用して経営全般の見直し、事業計画の策定を希望する小規模事業者の掘り起こしを行った。
(3)経営指導員による経営分析の実施
「小規模事業者持続化補助金」の申請書作成時、マル経融資等の推薦書作成時等に経営分析を行った。
(4)日本政策金融公庫(国民生活事業)担当者との帯同訪問実施
経営指導員と日本公庫担当者の帯同訪問(マル経融資による支援を行った小規模事業者が中心)を実施した。
【今後の課題】
経営分析事業者数は、①持続化補助金申請者、②マル経融資等申込者、③専門機関・専門家と連携して経営改善計画策定等に向けて経営分析を行った事業所数を合計したものである。数値目標は達成することができたが、経営分析から事業計画策定につなげることができなかった事業所も少なからずあった。フォローアップを徹底していくことが肝要である。
今年度も当所経営指導員が講師となり「経営分析・事業計画策定セミナー」を開催した。参加者数は目標に達しなかったが、今後も経営の品質を高めるための出席者参加型の勉強会を企画していきたい。
巡回訪問については、複数回訪問の事業所がある一方で、全件訪問は達成できなかった。今後は訪問を徹底して、接触機会を確保していくことを目指したい。また、支援担当者の情報交換の回数を増やし、担当者間での「見える化」の徹底、訪問時に的確な情報提供ができる体制づくりを徹底する。
3.事業計画策定支援に関すること
事業者が経営課題を解決するため、経営分析の結果を踏まえつつ、地域金融機関・支援機関とも連携して、
事業計画策定支援を行う。創業については、地域経済の活力の源泉である小規模事業者の創業を促進するため、
創業支援セミナーを開催する。個別相談においても、公的金融機関や創業支援機関と連携し、創業までの手厚
い支援を行う。
【目 標】
支援内容 |
現状 |
1年目 |
2年目 |
3年目 |
4年目 |
5年目 |
セミナー開催回数 |
5 |
6 |
7 |
8 |
8 |
8 |
事業計画策定事業者数 |
5 |
10 |
15 |
20 |
25 |
30 |
創業支援者数 |
5 |
10 |
15 |
20 |
25 |
30 |
支援内容 |
1年目 |
実績 |
評価 |
2年目 |
実績 |
評価 |
セミナー開催回数 |
6 |
9 |
○ |
7 |
12 |
○ |
事業計画策定事業者数 |
10 |
38 |
○ |
15 |
24 |
○ |
創業支援者数 |
10 |
19 |
○ |
15 |
19 |
○ |
【実施した事業内容】
(1)各種講習会・セミナーの開催
経営者・管理者・若手新人社員等幅広い層を対象に実践的なセミナーを開催した。「企業活力向上セミナー(6
回シリーズ)」をはじめ、事業計画策定に役立つ様々な講習会・セミナーを開催した。
(2)「小規模事業者持続化補助金」への積極的な取り組み
国の重点事業「小規模事業者持続化補助金」に積極的に取り組んだ。経営指導員は小規模事業者と一体として取組み、事業計画を作り上げ、販路拡大等への取り組みを支援した。22事業所が申請、11事業所が採択を受けた。
(3)創業支援セミナーの開催
日本政策金融公庫高松支店及び坂出市と連携して、創業支援セミナーを開催した。創業希望者の知識向上を図り、創業計画の策定支援・創業資金の相談等を実施した。
(4)創業相談窓口の設置
創業相談窓口を設置し、経営指導員が創業計画書の作成支援等を実施した。さらに経理事務の手続きを中心
に、労務・税務等の切り口より開業に至るまで手厚い支援を実施した。また、地元金融機関・日本政策金融公
庫と連携し、創業資金のあっせんを実施した。
【今後の課題】
目標数値は達成することができたが、昨年度に引き続き持続化補助金などの申請及びマル経融資における推薦書作成に係る事業計画支援が多数を占めた。ただ、持続化補助金については、小規模事業者が持ち込む事業計画を添削することに留まらず、自社を取り巻く環境分析を前提として、各種診断ツールを駆使して自社分析を行い、中期経営計画策定を意識した事業計画(経営戦略)策定を支援することを意識した。
創業支援については、窓口での対応が中心となったが、丁寧な対応を心がけ創業資金の斡旋にとどまらず、複数の視点から分厚い支援を心がけた。29年度は坂出市や市内金融機関と連携して、問題解決や事業計画策定までの支援を行う創業に関する「ワンストップ相談窓口」を設置し、さらに分厚い創業支援を実施する予定である。(創業支援目標年間延べ60件、創業者数述べ6事業所)今後は創業補助金等の公的支援策も活用しながら、支援を展開していく予定である。また、創業支援研修にも経営指導員を派遣し、スキルアップに努めるとともに、創業支援関係のセミナー・勉強会等を企画する計画である。
4.事業計画策定後の実施支援に関すること
作成した事業計画が向こう3~5年のアクションプランとして十分に機能するとともに、金融機関への融資申込時等に活用できる実現可能・妥当な計画であることを担保するためのフォローアップを行う。第二創業(経営革新)支援については、小規模事業者の各発展ステージに応じた伴走型の支援を実施する。
【目 標】
支援内容 |
現状 |
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 |
第二創業支援者数 |
15 |
15 |
25 |
25 |
30 |
30 |
フォローアップ件数 |
10 |
20 |
30 |
40 |
50 |
60 |
支援内容 |
1年目 |
実績 |
評価 |
2年目 |
実績 |
評価 |
第二創業支援者数 |
15 |
18 |
○ |
25 |
16 |
△ |
フォローアップ件数 |
20 |
18 |
△ |
30 |
16 |
△ |
【実施した事業内容】
(1)事業計画策定事業所へのフォローアップ
「小規模事業者持続化補助金」の採択先に対して、策定した事業計画が中期経営計画として実効性を持つとともに、補助事業を適正に実施するための支援を行った。
(2)「小規模事業者経営発達支援融資制度」への取組み
新たに創設された「小規模事業者経営発達支援融資制度」の活用を促すため、融資申請に向けての事業計画策定支援を行った。(同規模の商工会議所の実績としては、全国トップの実績を計上)
【今後の課題】
第二創業支援者数は①持続化補助金採択者、②経営発達支援融資制度利用者を合計したものである。その他、窓口及び事業所訪問時に随時、経営革新・事業転換・多角化・事業縮小等の相談を受けて支援を行っているが、具体的な事業計画策定にはつながっていないため、件数にはカウントしていない。
今後は、補助金や融資実行目的だけでなく、事業所の中長期計画として機能する経営戦略策定支援を強化していきたい。今後は既存の事業分野が先細りとなるため、新事業分野への進出(多角化や新製品開発、新市場進出)が多くの小規模事業者にとって大きなテーマとなる。また、これに関連して事業承継に取り組む事業者への支援も強化する必要がある。そのためにも、各支援機関や金融機関ともこれまで以上に連携体制を強化することが必要である。
「小規模事業者経営発達支援融資制度」の活用については、日本公庫と連携して利用者アップに取り組んだ。積極的な取り組みにより、全国トップクラスの実績を上げることができ、小規模事業者の第二創業支援に寄与することができた。
5.需要動向調査に関すること
小規模事業者が販売する商品・製品・サービスについての重要の動向を調査・分析することにより、小規模事業者に対する経営分析・事業計画策定支援に活用する。
【目 標】
支援内容 |
現状 |
1年目 |
2年目 |
3年目 |
4年目 |
5年目 |
調査件数 |
0 |
12 |
48 |
48 |
48 |
48 |
支援内容 |
1年目 |
実績 |
評価 |
2年目 |
実績 |
評価 |
調査件数 |
12 |
6 |
△ |
48 |
5 |
× |
【実施した事業内容】
(1)経営指導員による需要動向調査・分析
専門家・専門機関と連携して、支援要請のある小規模事業者の属する業種・業態の市場・需要動向調査を行
った。
【今後の課題】
目標数値を達成することはできなかった。そもそも需要動向調査(マーケティングリサーチ等)の依頼自体が
少なかった。実績の案件は当所が専門相談を受けた際に、専門機関と連携して調査を行ったものである。エリア
マーケティング分析ツール(マケプラ)等を活用した商圏分析を実施した。調査結果は報告書として書面化して
依頼先に配布することが要件となっている。今後はこの点も徹底することが必要である。
今年度もマケプラなどを活用した商圏分析や、ストアコンパリゾン(競合店調査)などの定型的な調査、当所
独自の調査・分析を実施していくとともに、事業所の調査に対する需要を掘り起こす努力を行っていきたい。
6.新たな需要の開拓に寄与する事業に関すること
産業のまち・坂出をアピールし、小規模事業者の有する隠れた地域資源の掘り起し・PRを実施するため、
イベント(展示会等)を開催する。また、専門機関等と連携して、小規模事業者のホームページ作成・リニュ
ーアルの支援等を行い、ICTを活用した販路開拓の支援を実施する。小規模事業者の海外進出を支援する。
【目 標】
項目 |
現状 |
1年目 |
2年目 |
3年目 |
4年目 |
5年目 |
展示会開催回数 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
来場者数 |
3,000 |
4,000 |
5,000 |
6,000 |
7,000 |
8,000 |
バイヤー来場者数 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
出展支援者数 |
30 |
30 |
35 |
40 |
45 |
50 |
ICTを活用した販路開拓支援者数 |
30 |
30 |
35 |
40 |
45 |
50 |
項目 |
1年目 |
実績 |
評価 |
2年目 |
実績 |
評価 |
展示会開催回数 |
2 |
1 |
△ |
2 |
3 |
○ |
来場者数 |
4,000 |
9,000 |
○ |
5,000 |
20,000 |
○ |
バイヤー来場者数 |
2 |
0 |
× |
2 |
4 |
〇 |
出展支援者数 |
30 |
27 |
△ |
35 |
37 |
〇 |
ICTを活用した販路開拓支援者数 |
30 |
17 |
△ |
35 |
40 |
〇 |
【実施した事業内容】
(1)「さかいで産業展示交流フェア2016」等の開催
28年度で5回目となる「さかいで産業展示交流フェア2016」を開催した。地域内の事業所がもつ優れた商品(製品)・技術・サービスを内外にPRし、出展者同士の交流(ビジネスマッチング)の場を提供することで販路開拓や優秀な人材の確保、地域活性化につなげることを目指した。出展者のうち小規模事業者は22事業所。また、首都圏で開催された展示会(秋葉原:「日本百貨店しょくひんかん」、新宿西口広場イベントコーナー)にも出展した。出展者のうち小規模事業者は15事業所。
(2)小規模事業者のICT導入・強化の支援
ICTを活用した販路開拓を支援するためのICT活用セミナー(計2回)※を開催した。(企業活力向上セミナーとして開催)
※テーマは、①「実店舗とネットショップをソーシャルメディアで活用する方法(オムニチャネル)」、②ICTを活用した海外進出支援(ネットショップの海外展開)である。
【今後の課題】
平成24年度にスタートした「さかいで産業展示交流フェア」は、地域内の事業所の販路開拓・売上アップを目指して開催しているが、当地恒例の目玉イベントとして定着している。小規模事業者は出展者全体の過半数を占めており、自慢の商品・サービスをPRする格好の機会となっている。今年度は、バイヤーの来場もあり、出展者との情報交換を実施した。
これ以外に全国展開を目指す事業者を支援すべく、首都圏(新宿・秋葉原)で開催される展示会の出展支援を行った。当所支援担当職員も現地でPR活動を実施した。
今年度も出展者に対して、全国の物産展への出展・海外展開への支援も視野に入れたステップアップの支援を実施していく予定である。
Ⅱ.地域経済の活性化に資する取組
1.地域活性化事業
JR坂出駅前・商店街等を会場に、小規模事業者が主体となる定期的なイベント(自社PRの場)を開催し、
地域経済活性化を目指す。地域の多様な機関が参加し、地域の方向性を関係者間で共有するための意見交換会
等を実施する。
【目 標】
項目 |
現状 |
1年目 |
2年目 |
3年目 |
4年目 |
5年目 |
開催回数 |
15 |
15 |
15 |
15 |
15 |
15 |
出展者数 |
20 |
30 |
35 |
40 |
45 |
50 |
来場者数 |
1,000 |
1,200 |
1,400 |
1,600 |
1,800 |
2,000 |
項目 |
1年目 |
実績 |
評価 |
2年目 |
実績 |
評価 |
開催回数 |
15 |
16 |
○ |
15 |
23 |
○ |
出展者数 |
30 |
53 |
○ |
35 |
50 |
○ |
来場者数 |
1,200 |
2,400 |
○ |
1,400 |
3,000 |
○ |
【実施した事業内容】
(1)駅近「さかいで楽市楽座」の開催
毎月1回、JR坂出駅周辺を会場に、「市で賑わいがあるまちづくり」をテーマに、当所会員事業所・起業予定者等より出展者を募り、イベントを開催した。また、市内小規模事業者(飲食業)の利用拡大を目的として「バルin SAKAIDE」を計4回開催した。
(2)まち歩き「坂出あまからめぐり」の実施
平成24年より坂出市観光協会と連携して、まち歩き事業「坂出あまからめぐり」を開催した。平成28年度
は計5回開催した。地域の魅力を掘り起し、再認識してもらうとともに地元小規模事業者の店舗を紹介するな
ど地域経済活性化を目指している。
【今後の課題】
当所青年部が中核となって、精力的に様々なイベントを実施した。特に、2回目となる「バルinSakaide」は夏を彩る大人気イベントとして定着し、市内外から多くの来客数を獲得した。
目標数値は概ね達成したものの、事業が小規模事業者の販路拡大に結び付いているかどうかは厳密な検証が必要である。地域活性化という当所の使命(ミッション)の中で、本事業の目標(小規模事業者の販路拡大)をいかに織り込んでいくか。定量的な評価指標をいかに確立するか。更なる検討が必要である。
Ⅰ.他の支援機関との連携を通じた支援ノウハウ等の情報交換に関すること
地域金融機関、連携支援機関、日本政策金融公庫及び専門機関・専門家と連携して、当所が収集・分析した
情報を提供するとともに意見交換を実施し、連携体制の確立を図る。
【実施した事業内容(会議への出席)】
①商工会議所中小企業相談所長会議
②日本公庫(国民生活事業)担当者との勉強会
③小規模事業者経営改善資金貸付団体連絡協議会への出席
④かがわ産業支援財団支援者会議
⑤坂出市との懇談会
⑥中讃農業改良普及センターとの意見交換会・当所経営指導員の講演会講師の派遣
【今後の課題】
他の支援機関との連携の中で、経営発達をテーマとした意見交換や情報収集を充実させることが課題である。特に、創業支援においては行政や金融機関との協働が必須の課題である。
2.経営指導員等の資質向上等に関すること
日本商工会議所・香川県商工会議所連合会が主催する研修への参加に加え、経営発達計画のマネジメントを
行うことを目的に、支援担当職員の支援能力の向上を図る。
【実施した事業内容(研修等への参加)】
①香川県下6商工会議所経営支援事業担当職員研修会
②商工会議所経営指導員全国研修会(支援力向上全国フォーラム)
③経営指導員向け小規模事業者支援研修(個社支援型・地域支援型)
④支援担当職員の自主勉強会
⑤BCP策定支援研修会
⑥経営安定対策事業研修会
【今後の課題】
毎年恒例の支援担当者向け研修会のみならず、小規模事業者支援に特化した研修会にも積極的に職員を派遣
した。職員の自主勉強会を開催して、マケプラ等の支援ツールを活用した最新の支援手法の習得に努めた。今年
度は創業支援研修会にも支援担当職員を派遣する予定である。
有識者の意見
Ⅰ.経営発達支援事業の内容
1.地域の経済動向調査に関すること
・アンケートに答えることにより、普段日常業務に追われて余裕のない経営者が自己検証をする機会になると思う。設問項目を工夫することにより、派生的効果として、自社を見つめ直すきっかけを与えることができるのではないか。また、アンケートとセミナーのテーマを連動させることにより、他の事業の参加率も向上するのではないか。
・アンケートの回答率がアップしており、坂出市としてもありがたいと感じている。
2.経営状況の分析に関すること
・限られた人員でよく会員事業所を訪問して、密接な関係を築くことができている。
・会員に限定せずに、セミナー等に来られる方の中から意識の高い方を見つけて、当該事業に取り組むことを勧めてみてはどうか。(ロールモデルとして)そうすることで、成功事例として他の事業所に支援プロセスを使い回しすることができると思う。
・巡回訪問先を各年度テーマで絞ってはどうか。(例えば、売上高・利益・業種など)全件を訪問することも大切
だが、訪問の実を上げるためにも一考してほしい。
3.事業計画策定支援に関すること
・持続化補助金の策定に絡めた経営分析・事業計画策定支援にとどまらず、金融機関とも連携して支援事業者数を30⇒40事業所に増やすことを目指してほしい。
・忙しい経営者が日々の業務に加えて、事業計画(中期経営計画など)を策定することは難しいと思う。厳しい環境下で、事業計画策定支援者数の目標を達成することができており、素晴らしいと感じる。今後、事業計画を実践していく中で、設備投資案件など様々な経営課題に直面すると思うが、地元金融機関や日本公庫と連携してともにやっていただきたい。
4.事業計画策定後の実施支援に関すること
・事業計画策定後のフォローアップは非常に大切だと思う。審査委員としてマル経融資に関係しているが、その後の経過などを審査委員にしっかりフィードバックしてもらえれば、さらに連携を深めることができるのではないか。
5.需要動向調査に関すること
・マーケティングリサーチについては唯一×が付いているが、経営者は自社の課題については十分認識している。次の段階として、専門家派遣のスキームなどを活用して引き継いでいくことも必要ではないか。(例えば、点在する自社の商圏に対して効果的に営業をかけていくにはどうすればいいか、営業コンサルタントにつないでいく)そのことにより、経営者のやる気も喚起されるのではないか。
・需要動向調査については、商工会議所がテーマを提案して実施すれば、件数が上がるのではないか。
6.新たな需要の開拓に寄与する事業に関すること
・首都圏開催の展示会への出展に関連して。ゼロベースで出展先を選定することは難しいが、出展先を工夫することにより、例えば地方の物産に興味がある方(出展先の地元居住者)を誘引することができて集客効果があるのではないか。
・販売員を現地で雇うなど、出展しやすい工夫が必要ではないか。
Ⅱ.地域経済の活性化に資する取組
1.地域活性化事業
・「バル」「楽市楽座」はとてもよい取り組みだと思う。他団体の活動も勘案して、各イベントの相乗効果が出るようになれば、もっといいと思う。日程面で再考を。
・各イベントについては、ある程度販路拡大に結び付いていると思う。
Ⅲ.経営発達支援事業の円滑な実施に向けた支援力向上のための取組み
Ⅰ.他の支援機関との連携を通じた支援ノウハウ等の情報交換に関すること
・金融機関としても商工会議所とより連携を深めて、地域活性化のために手を携えていきたいと考える。
2.経営指導員等の資質向上等に関すること(その他自由意見を含む)
・目標達成に至らなかった項目もあるが、限られた人員・時間の中で総じて一定の成果を上げることができている。
・各事業項目については一定の成果を上げることができている。今後の課題は各事業の精度を更に向上させていくことであると考える。
・支援担当職員は熱心に活動していると考える。
・多彩なテーマに取り組んでいるが、各年度で大きなテーマを絞って策定してはどうか。(例えば、事業承継)その大きなテーマに向けて、例えば調査分析を行い、事業計画策定支援につなげていく。大きなテーマを掲げて、各事業をプロセスに落とし込んでいくことにより(一連の流れを構築することにより)、発達支援事業5ヵ年計画を立てやすくなり、数値目標にとどまらず、実質的な成果が上がるのではないか。事業のやり方を工夫することにより、担当者の仕事が楽になり、より効果が出る。(皆さんの仕事の生産性の向上を!)
・会報のバックナンバーの電子化を検討されてはどうか。ICTにも目配りした上で、ぜひ。
・先日公表された中小企業白書でも人手不足が大きな経営課題となっている。困難な課題ではあるが、当地においても人手不足解消に向けて、支援担当者の目配りをお願いしたい。
坂出商工会議所「経営発達支援計画」事業評価会議
1.日 時 平成29年5月24日(水)10時~
2.場 所 坂出商工会館3F会議室
3.議 題 ①平成28年度経営発達支援事業について
②評価・ご意見
③その他
4.出席者 13名(事務局5名を含む)
川滝 浩嗣 坂出商工会議所専務理事(座長)
横矢 一司 坂出市産業課課長
三野田耕治 坂出市商工特産係長
和田めぐみ 日本政策金融公庫高松支店支店長兼国民生活事業統括
山城 高志 四国税理士会坂出副支部長
宗次 勇和 百十四銀行坂出支店次長
曽我部昌弘 高松信用金庫坂出支店長
古枝 直輝 香川銀行坂出支店長
(事務局) 5名 (敬称略・順不同)